深掘り日記とは、書いた内容に対して返ってくる「問い」に答えながら、自分の考えや感情を一段深く掘り下げていく日記の方法です。 出来事を記録して終わる従来の日記と違い、「なぜそう感じたのか」「本当はどうしたかったのか」という問いを起点に、書くたびに自己理解が少しずつ積み上がっていくことを目的とします。問いの相手は人でもAIでも、自分自身でもかまいません。
この記事では、深掘り日記という言葉を提唱しているAI日記アプリ hinoto が、定義・従来の日記やジャーナリングとの違い・具体的なやり方をまとめます。
私自身、書いて終わりの日記だと「今日も同じようなことを書いている」という感覚だけが残りがちでした。その物足りなさをどう埋めるかを考えるうちに、この「深掘り日記」という形にたどり着いています。
深掘り日記と「ふつうの日記」の違い
ふつうの日記は、その日の出来事や気持ちを 記録する ことが中心です。それ自体に価値がありますが、多くの人が途中でやめてしまう理由もここにあります。書いても何も返ってこないと、「今日も同じようなことを書いている」という感覚だけが残るからです。
深掘り日記は、記録のあとに 応答 が入ります。
| ふつうの日記 | 深掘り日記 | |
|---|---|---|
| 中心の行為 | 出来事・気持ちの記録 | 記録+問いへの応答 |
| 書いたあと | そこで終わる | 「なぜ?」と一段掘る |
| 続ける動機 | 習慣・記録欲 | 返事がくる・発見がある |
| 積み上がるもの | 出来事の履歴 | 自分の傾向・価値観の理解 |
| 向いている人 | 記録そのものが好きな人 | 考え事がぐるぐるしがちな人 |
ジャーナリングとの違い
ジャーナリング(書く瞑想とも呼ばれます)は、頭に浮かんだことを判断せずに書き出す方法で、深掘り日記と近い位置にあります。違いは掘る方向です。ジャーナリングが「頭の中にあるものを外に出す」ことを重視するのに対し、深掘り日記は書き出したものに 問いを返して、その先を掘る ところまでを一つのサイクルにします。
ジャーナリングで書きっぱなしにすると消化不良が残る、と感じたことがある人は、深掘り日記のほうが合っている可能性があります。
深掘り日記のやり方——4つのステップ
道具は紙でもアプリでもかまいません。基本のサイクルは次の4つです。
- 書く — その日、頭に残っていることを短くてもいいので書く。一行でも成立します。
- 問いを受け取る — 書いた内容に対する問いを一つ選ぶ。「そのとき、本当はどうしたかった?」「同じ場面が前にもなかった?」「それはあなたの何を大事にしたい気持ちから来ている?」など。
- もう一段だけ書く — 問いに答える形で、さらに2〜3行書く。無理に結論を出さなくていい。
- 見返す — 週に一度くらい、書いたものを眺めて、繰り返し出てくる言葉や場面を探す。
ポイントは、掘るのは 一段だけ でいいということです。毎回深く掘ろうとすると続きません。「今日は一段掘れた」で十分です。
一人でやるときのつまずきどころ
深掘り日記は一人でもできますが、続けてみると二つの壁に当たりやすいことが分かっています。
- 問いが自分に甘くなる、または厳しくなりすぎる。 自分で自分に問いを出すと、都合の悪いところを避けたり、逆に責める方向に問いが偏ったりしがちです。
- 問いのバリエーションが尽きる。 「なぜ?」だけを繰り返すと尋問のようになり、書くのが億劫になります。
このため、深掘り日記は「問いを外から受け取る」形と相性がよい方法です。信頼できる人との交換日記、コーチングの宿題、そしてAIとの対話型の日記は、いずれもこの構造を持っています。
hinotoと深掘り日記
hinoto は、この深掘り日記をアプリの形にしたものです。日記を書くと、AIが内容を受け止めた返事と、次の一段を掘るための問いを返します。書いた内容は端末で暗号化されるため(エンドツーエンド暗号化)、開発者を含む第三者が日記を読むことはありません。
一方で、紙のノートと自作の問いリストでも深掘り日記は始められます。まず今夜、その日いちばん頭に残っていることを一行書いて、「それは自分の何を大事にしたい気持ちから来ている?」と一段だけ掘ってみてください。
よくある質問
Q. 深掘り日記は毎日書かないとだめですか? いいえ。深掘り日記は頻度より一回の深さを大事にする方法なので、週に2〜3回でも成立します。空いた日を「失敗」と数えないことが、結果的にいちばん長く続くコツです。
Q. 深掘りすると、かえって落ち込みませんか? 掘る深さを「一段だけ」に留めるのはそのためです。つらい出来事の直後は無理に掘らず、記録だけで止めてかまいません。つらい状態が続くときは、日記ではなく専門家や相談窓口を頼ってください。
Q. 深掘り日記とジャーナリングはどちらがいいですか? 目的によります。頭の中を空にしてすっきりしたいならジャーナリング、自分の傾向や価値観を理解したいなら深掘り日記が向いています。両方を組み合わせることもできます。
この記事は方法論の共有であり、医学的な助言ではありません。つらい状態が続くときは、専門家や相談窓口を頼ってください。